2017-01-01から1年間の記事一覧
「Stop!」 ある日の昼下がり。 雲一つない、抜けるような青空から地上に響き渡ったひとつの声。 人々は、その地響きがするほど轟音であったその声を聞き少々不安を覚えた。 地上を群れをなすようにひとつの方向に歩いていた人々も、あちらこちらに忙しそうに…
C. ジェイ氏の次なる発明は「自動自家葬儀装置」である。 老い先短く死を意識しだした人を対象とする、誰にも迷惑を掛けずにあとくされなく、きれいに死んでいきたいと願う人向けの自動で行われる葬儀の装置がついた家である。 その家が建つ場所の土地は、人…
C. ジェイ氏は考えた。 人間は痛みさえもたなければ、なんでもできると。 HAPPY MANを創ることにした。 脳の中の痛みを感じる部分を切除してしまうのである。 ついでに恐怖を感じる部分も退化させた人間を創造した。 その反対に、常に幸せを感じる脳内物質を…
C. ジェイ氏の次なる発明は、自動自家清浄ホームである。 つまりまったく掃除をしなくとも、家が勝手に定期的に掃除をしてくれるという、 怠け者の人間にとっては、まさに天国のような家なのである。 すべての部屋の壁の上部の天井に接しているコーナーにあ…
歯痛に悩みながらC. ジェイ氏は考えた。 「どうして人間とは、食べるところと、しゃべるところが一緒なのだろうか?」 という疑問が湧いてきた。 「人間は他の動物と違って話すというコミュニケーション・ツールがある。人はそのあらゆる知識を発して披露せ…
C.ジェイ氏は、「この地上で最高に幸せになる方法」という発明を生み出そうとしていた。 C. ジェイ氏は、これまでの生涯を掛け、全財産を掛け、賢者と呼ばれる先人達の文献を読み漁り、持てる知恵をすべて絞り出しひとつの結論に達した。 それは「痛みがな…
C.ジェイ氏は、国家予算程の大金をつぎ込んで開発した、超最新式のコンピューターを引っさげて、この世界で3本の指の中に入るであろう超大金持ちであるA.ピー氏の家に向かった。 A.ピー氏の邸宅はこれでもかというほど贅を尽くしたいわゆる豪邸そのものであ…
2017年のスタートの年に、新しく小説ブログを始めました。